福岡大空襲78年 合同追悼式で戦災犠牲者の冥福祈る

 福岡大空襲から78年となった6月19日、「福岡市戦没者合同追悼式」が福岡市役所で行われた。遺族ら約70人が参列し、福岡大空襲を含め、戦災の犠牲となった市民1万2131人の冥福(めいふく)や平和を祈った。


福岡市役所で行われた戦没者合同追悼式で黙とうする参列者

福岡市と市社協が一本化

 市内では例年、6月19日に市と市社会福祉協議会がそれぞれ追悼式を開催。一方で、参列者の高齢化に伴い、二つの式典に出席する身体的な負担が大きいとして、市と市社協が今年から一本化することにした。

 参列者は黙とうをささげ、献花台に献花。式典後は献花台が一般の来庁者にも開放され、多くの市民らが犠牲者に花を手向けた。ニューギニアの戦地で父を亡くしたという西区の女性(82)は、「ウクライナで今も戦争が続いているのを見ると、心が痛む。若い世代には、絶対に戦争はいけないと伝えたい」と話していた。

 市遺族会連合会の中村博幸副会長(84)は式典の一本化について、「自然な流れだと思うが、なくすことなく何らかの形で続けていけるように努力していきたい」と力を込めた。

寺では慰霊祭

 一方、中央区の円応寺では6月18日に慰霊祭が開かれ、約80人が参列した。


簀子公園にある戦災死者供養塔に手を合わせる参列者ら

 付近の簀子(すのこ)地区では176人が亡くなり、うち24人が幼い子どもだったとされる。福岡大空襲の前年に静岡県で生まれ、同県で空襲を経験したという南区の男性(78)は、「生き延びた者の責任として、平和への祈りを込めて語り継いでいきたい」と話した。


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