サッカーJ3・ギラヴァンツ北九州は、福岡県豊前市と九州女子大(北九州市八幡西区)と共同で、イノシシとシカの肉を使ったレトルトのジビエカレーを開発した。鳥獣被害に悩む同市の課題解決が目的。15種類のスパイスを調合して肉の臭みを和らげ、まろやかな味わいに仕上げた。
豊前市、九州女子大と共同で
豊前市では昨年度、イノシシやシカによる農作物の被害額が約860万円に上った。市は捕獲したイノシシなどを食肉処理し、特産品として活用しようとしている。
地域と一体となった運営を目指すギラヴァンツは、2016年に同市と地域活性化に取り組む協定を締結。その一環として、選手の栄養指導を行う九州女子大も含め、3者で約1年前からカレーの開発に取り組んできた。
同大家政学部の学生約20人が、スパイスの量や肉の大きさを変えながら試作を重ね、クラブ関係者も試食してきた。4年の江島穂華さんは「肉の食感を生かすことを心がけ、イノシシとシカの肉の割合を何度も試した。納得のいく出来です」と笑顔。指導した巴美樹教授は「イノシシ肉とシカ肉はアスリートに必要な鉄やビタミンB群が豊富で魅力的な食材」と語る。
16日のホーム戦で販売
7月12日には同大で試食会があり、ギラヴァンツの石田真一社長は「臭みがなく、肉は軟らかい。選手にも食べさせて勝利につなげたい」と力を込めた。16日、ホーム戦があるミクニワールドスタジアム北九州(小倉北区)で、1パック800円(税込み)で販売する。