北九州市の市民オーケストラ・北九州交響楽団(北九響)の第130回定期演奏会が10月29日、同市小倉北区の北九州ソレイユホールで開かれる。同楽団OBでNHK交響楽団(N響)特別コンサートマスターの篠崎史紀さん(60)を指揮に迎え、本番に向けた練習に励んでいる。篠崎さんは「幅広い世代が楽しめる演奏会にしたい」と語る。
笑顔を交えながら団員をまとめる篠崎さん(左奥)
北九響は1958年創立。20～80歳代の会社員や公務員、主婦らが仕事、家事などと両立させながら毎週木曜を中心に練習を重ね、年2回の定期演奏会を開いている。15日には団員約80人が同市八幡西区の黒崎ひびしんホールに集まり、篠崎さんが「もう少し音に張りを持たせよう」などと和やかに呼びかけた。
同市出身の篠崎さんは3歳からバイオリンを始め、中学1年で北九響に入団、高校生時代はコンマスを務めた。オーストリアのウィーン市立音楽院で学んだ後、読売日本交響楽団などを経て1997年にN響のコンマスに就任。今年4月から特別コンマスとして活躍している。
篠崎さんは北九響の思い出を「大人たちと音楽を奏でることで、世代や経歴にこだわらずに物事を一緒に考える姿勢を育ててもらった。自分にとっては宝物の場所」と語る。
同楽団で指揮を執るのは、2021年に続いて2回目。「クラシックは伝承と再生が続いている。なぜ繰り返し演奏されるのか感じてもらえたら」と話した。
午後3時開演。チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」やリムスキーコルサコフの交響組曲「シェエラザード」などを披露する。前売り券は一般1300円、小学生～大学生800円。当日は各200円増し。問い合わせは北九響事務局(093ｰ533ｰ1313)へ。
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