福岡県福智町に伝わる国の伝統的工芸品「上野焼(あがのやき)」の開窯420年を記念する式典が、町図書館・歴史資料館「ふくちのち」で開かれた。420年を迎えた昨年はコロナ禍で式典を見送っていた。
上野焼は関ヶ原の戦いから間もない1602年、千利休の高弟で小倉藩主の細川忠興が朝鮮から招いた陶工に窯を開かせたのが始まりとされる。
コロナで開催1年遅れ
式典は上野焼の価値を広め、日韓の友好関係を発展させようと町主催で10月27日に行われ、約100人が出席した。
高鶴享一・上野焼協同組合理事長の開式あいさつ後、黒土孝司町長は「上野焼は先人の労苦と探究によって今にもたらされている。さらなる産地の活性化を図りたい」と述べた。尹徳敏(ユンドンミン)・駐日韓国大使は「優麗なデザインや多彩な色遣いが素晴らしい上野焼は、韓国と日本の文化交流の象徴であり、友好関係を後押しするものだ」と強調した。