「ガリ版研究会」の作品展 小倉北区の喫茶店で開催中

 北九州市を拠点に簡易印刷機「謄写版」(通称・ガリ版)の文化を伝える団体「ガリ版研究会」の展示会が6月6日、小倉北区室町の喫茶店「カフェ銀の時計」で始まった。ガリ版の多色刷りを駆使し、人物や風景を浮世絵のように表現した作品などを展示している。

人物や風景を鮮やかに表現


ガリ版の作品を見る下迫さん

 研究会によると、ガリ版は昭和50年(1975年)代まで学校や役所、企業に置かれていたが、コピー機の発達で姿を消した。小学校教諭だった同店主の下迫信子さん(78)は若い頃に学級だよりや子どもの文集などをガリ版で刷っていたといい、「懐かしく感じられる」と語る。


懐かしさや郷愁を感じさせる作品

 展示会は「ノスタルジックなガリバン」をテーマに市から2008年度に「北九州技の達人」に認定された岡部和慶さん(故人)の作品約20点を8日まで展示。11、12日は別の作家らの作品を紹介する。研究会代表の小松良子さん(74)は「かつて北九州では労働組合などでガリ版が盛んに使われたと思う」と話す。

 同店は午前11時半~午後5時。9、10日は定休。問い合わせは銀の時計(090-3010-5919)へ。


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