タイミーと糸島市が協定 単発バイトで地元の働き手確保

 福岡県糸島市は、市内小規模事業者の人手不足の問題を解決しようと、単発バイトの紹介アプリを運営する「タイミー」(東京)と人材確保に関する協定を結んだ。同社は、履歴書の提出や面接などを行わずに臨時的にアルバイトを雇うことができるサービスを提供しており、市が導入を支援し、人手確保の手段の一つとして活用してもらいたい考えだ。


協定を締結したタイミーの石橋執行役員(左から2人目)と糸島市の月形市長(同3人目)ら

 市によると、市内事業者の従業員数は65.8%が5人以下、91.5%が20人以下と、県内でも小規模事業者が多い。飲食業などでは、限られた従業員が出勤できずに、休業を余儀なくされるケースも指摘されていた。

 市では、対策として独自の求人サイトを運営するなどしてきたが、正社員採用だけでなく、同社と連携して短時間のアルバイトの雇用も支援することにした。今後、商工業者に同社が提供するサービスを紹介したり、人材確保に関するセミナーを共同で開いたりする。滞在費をまかないながら旅先で仕事ができるサービス「タイミートラベル」の展開による移住・定住促進なども想定している。

 同社はこれまでに岐阜県下呂市などとも連携しており、糸島市は全国7か所目。西日本では初めての協定締結となる。6月13日の協定締結式に出席した同社の石橋孝宜・執行役員は「市内で眠っている労働力を掘り起こし、地域で働くきっかけを作っていきたい」と話し、月形祐二市長は「商工業のみならず、農林水産業や介護・福祉分野への広がりも期待したい」と話した。


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