400年の伝統を後世に 小倉祇園太鼓の歴史を漫画で紹介

小倉北区役所が制作した「漫画で学ぼう!小倉祇園太鼓」

 約400年の歴史がある北九州市の夏祭り「小倉祇園太鼓」(国重要無形民俗文化財)を後世につなげるため、小倉北区役所は、祭りの歴史を紹介した漫画「漫画で学ぼう!小倉祇園太鼓」を制作した。子ども向けの「太鼓塾」で教材として配布し、未来の担い手の育成に活用するほか、観光客らにも分かりやすく伝えるため、今年の祭りのガイドブックにも掲載される予定。

担い手育成や観光客に紹介へ 

 少子高齢化などで参加者が減少傾向にある祭りの新たな担い手を育成しようと、同区役所は同区内の小学校などで「太鼓塾」を開催している。昨年はゲーム感覚で太鼓の打ち方が学べる動画「太鼓でドドン」を制作した。

 今回は、子どもたちの興味を引く漫画で祭りの歴史や打ち方を学習できる教材を作ろうと企画し、小倉祇園太鼓保存振興会の監修のもと制作した。

 漫画はA5判14ページ。太鼓の練習をしていたきょうだいのもとに祭り好きのキツネが化けた男が現れ、祭りの起源や太鼓の打ち方の特徴などを紹介していく内容。幕末に小倉藩と長州藩が戦った「小倉戦争」やコロナ禍など、何度も存続の危機を乗り越えながら地域の誇りとして受け継がれてきた歴史にも触れ、祭り関連行事に関する解説や豆知識なども掲載した。

 漫画は、市のウェブサイトでも公開しており、同区役所総務企画課は「祭りの成り立ちや歴史を分かりやすく伝えるツールとして活用したい。子どもたちには漫画を読んで自分たちの地域の祭りへの誇りを持ってもらえれば」としている。


advertisement

この記事をシェアする