リオ五輪・水泳銀メダリストの坂井さんに柳川市民栄誉賞

 福岡県柳川市は6月27日、同市出身で、2016年リオデジャネイロ五輪の男子200メートルバタフライで銀メダルを獲得した坂井聖人さん(29)に市民栄誉賞を授与した。5月末に現役引退を表明し、今後は県内を拠点に指導者の道を歩むという坂井さんは「この賞を誇りに、幅広い年代の人たちに水泳を指導していきたい」と意気込みを語った。


金子市長(右)から市民栄誉賞の賞状を受け取る坂井さん


秀ノ山親方に次ぐ2人目の受賞


 市民栄誉賞を受けるのは、大関に昇進した際に授与された琴奨菊(現・秀ノ山親方)に次いで2人目。

 坂井さんは3歳の時に水泳を始め、城内小、柳城中、柳川高を経て早稲田大に進学。リオ五輪の男子200メートルバタフライ決勝では、王者マイケル・フェルプス選手(米国)を終盤に追い上げ、僅差で2位となった。その活躍に対し、市から栄誉賞授与を打診されたが、「東京五輪で頑張るまで待ってほしい」といったん辞退したという。

 父親の敏幸さん(61)によると、リオ五輪の後、両肩を手術するなどした影響もあり、21年の東京五輪は出場できなかった。今夏のパリ五輪の出場権も逃し、現役引退を決めた。

 この日は敏幸さんと市役所を訪問。金子健次市長は「銀メダルを獲得した際のインタビューで、『柳川の皆さんのおかげ』と言ってくれたことが忘れられない。お疲れさまでした」とねぎらった。

 敏幸さんは「聖人は負けず嫌いで、ジュニア時代から成績を上げてきた。故障もあったが、やれることをやりきった」と話した。

 坂井さんは「何事も諦めず、粘り強く続けていけば、夢はかなえられると信じている。『坂井に水泳を教えてもらってよかった』と言ってもらえるような指導者になりたい」と新たな目標を掲げた。


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