博多港の博多ポートタワーが2024年10月に開設から60周年を迎える。管理する福岡市は、記念事業として新型コロナウイルスの感染拡大で短縮していた開館時間を午後8時まで延長して夜間営業を行っており、「60年を迎えたタワーからの夜景をぜひ多くの人に楽しんでほしい」としている。
タワー6兄弟の末っ子
博多ポートタワーは、東京五輪開催中の1964年10月17日に、民間のレジャー施設「博多パラダイス」の一部として開館。75年から市が管理するようになった。「塔博士」と呼ばれる建築家・内藤多仲(たちゅう)(1886~1970年)が設計。内藤は、旧・名古屋テレビ塔、通天閣、別府タワー、さっぽろテレビ塔、東京タワーを手がけ、最後に設計されたポートタワーは「タワー6兄弟の末っ子」とも呼ばれる。
ポートタワーの高さは100メートルで、港に出入りする船の動きを伝え、安全な航行を支える無線局「博多ポートラジオ」が設置されている。展望室(高さ70メートル)では市内や港の風景を楽しめ、赤と白が映える塔外観は、博多港のシンボルとして親しまれている。入館は無料。
市は60周年を記念して7月中旬から、午後5時までだった開館時間を午後8時まで延長し、夜間営業を再開した。また開業時に東京五輪開催中だった縁から、パラリンピックの開会式が行われる8月28日には仏国旗を表現した特別ライトアップも行う。他にもスタンプラリーやフォト&ムービーコンテストも行っている。
市港湾空港局総務課は「ぜひ家族連れや若い方にも足を運んでいただいて、博多港の風景を楽しんでほしい」と話している。