詐欺警戒を呼びかけ 小郡と大刀洗が広報誌に特集ページ

 ニセ電話詐欺の被害が福岡県内でも相次いでいることを受け、小郡市と大刀洗町は、12月のそれぞれの広報誌に合同で警戒を呼び掛ける特集ページを作った。2市町を管轄する小郡署と連携しながら、被害状況や手口、被害に遭わないための注意点などをまとめた。編集に携わった職員は「広報誌をきっかけに、不審な電話がかかってきたら、『詐欺かもしれない』と気を付けてもらえれば」と話している。


特集ページの作製に携わった(左から)古沢さん、松延課長、福島さん

 2市町では9月末までに、ニセ電話詐欺被害が15件発生し、被害額は計約2億6800万円に上っていた。このため、同署は同月、管内の2市町に注意喚起を依頼したという。

 広報を担当している同市経営戦略課の古沢望さんと、同町地域振興課の福島亮太さんが、署からの要請を受け、どのように啓発活動をするかを意見交換。その中で、共同で広報誌のページを作ってPRすることを思いついた。

 2人は、警察庁や他の自治体のホームページを参考にしながら、同署の松延修一・生活安全課長ともやり取りし、見開き2ページで特集ページの原稿を作成した。

「ニセ電話」手口など紹介

 特集ページでは、被害件数などの円グラフのほか、還付金詐欺やオレオレ詐欺など、代表的な特殊詐欺の手口をイラスト付きでまとめた。近年、被害が増加傾向にあるSNS型投資・ロマンス詐欺については、職員の身ぶりを交えた写真を使いながら、4コマ漫画風に紹介した。

 それぞれの広報誌の表紙には「詐欺の新常識」と銘打って目に留まるデザインを意識し、パトカーや署員などに登場してもらって、警戒感を強調。広報誌は、12月上旬に各家庭に配布されたり、公共施設に設置されたりした。

 同署には、特集ページを読んだことがきっかけで、「(広報誌で見たような)怪しい電話がかかってきた」という相談がすでに寄せられているという。

 2人は「広報誌をきっかけに、家族や様々な集まりで詐欺のことを話し、気をつけるようにしてもらいたい」と語る。松延課長は「分かりやすい内容で、すでに効果も出ていてありがたい。引き続き市町と連携し、住民が詐欺に遭わないように頑張りたい」と話している。

 特集ページを掲載した広報誌は、小郡市大刀洗町のホームページからも閲覧することができる。


advertisement

この記事をシェアする