北九州産の日本酒と伝統織物「小倉織」を掛け合わせた新商品を、北九州市八幡東区の蔵元「溝上酒造」と同市小倉北区の小倉織製造会社「小倉縞縞(しましま)」が共同開発した。商品は「天心(てんしん) 介(かい)」と名付けられ、4月24日から数量限定で販売される。
溝上酒造の溝上智彦社長と小倉縞縞の築城弥央専務に交流があり、「何か一緒にできないか」と話をしていく中で実現。互いの製造現場を視察しながら、小倉織をイメージした新しい日本酒の開発と、小倉織を使った外観のデザインが進められた。
「天心 介」は北九州産の酒米や米麹(こうじ)を使用して製造され、通常製法の「ベーシック」と、圧搾せずに滴り落ちる酒を集めた「プレミアム」の2種類を用意。いずれも皿倉山の水をイメージした青色の小倉織でボトルを包み、プレミアムは風呂敷を着物に見立ててまとわせている。
溝上社長は「小倉織の上品で力強いイメージを味と香りで表現した。うちでこれまでにない酒になった」と話し、築城専務は「食と伝統を掛け合わせて新しい化学反応ができた」と振り返った。21日には市役所で完成報告会が開かれ、武内和久市長は「日本だけでなく世界に発信できる素晴らしいものが生まれた」と語った。
ベーシックは限定1200本で4400円(税込み、720ミリ・リットル)、プレミアムは同170本で1万1000円(同)。市内の酒販店、同酒造の直営店やオンラインショップで取り扱われる。