福岡県内で造られた清酒(日本酒)が10月、地域の特産品を保護する国の「地理的表示(GI)」に指定された。「福岡」という産地名を独占的に名乗れる制度で、審査に合格した酒は「GI福岡」のマークを使用できる。GI指定を目指してきた県酒造組合や県は「ブランド化や輸出促進につなげたい」と期待している。
輸出促進にも期待
県内は良質な水と乾燥した気候があり、昔から酒造りが盛んで、50以上の日本酒の蔵元がある。県酒造組合は「福岡の酒」としてブランド化を図ろうと、7年前からGI指定を目指して準備をしていたという。
「GI福岡」のマークが表示できる条件は、県内で採れた水をつかって製造していることで、馥郁(ふくいく)たる香りや、すっきりとした余韻、食と一体となった味わいなどを特性としている。
指定は1日付。3日に県庁に報告に訪れた同組合の山口哲生会長は「ようやく(日本酒の)産地として認められ、スタートラインに立てた。新しい福岡の酒を造っていきたい」と意気込んだ。服部誠太郎知事は「福岡の酒はふくらみがあり、豊かさを感じる。伝統に裏打ちされた技術があり、誇りをもって広めていきたい」と述べた。
県内の特産品ではこのほか、「八女伝統本玉露」「はかた地どり」もGIに指定されている。
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