「久留米焼きとり」に合う一杯 純米吟醸酒「宵火」が完成!

「宵火」を紹介する堤さん(左)や山口社長(中央)ら
3月に文化庁の「100年フード」に認定された福岡県久留米市のご当地グルメ「久留米焼きとり」に合う日本酒がお目見えした。地元の蔵元や酒店が開発した純米吟醸酒で、微発泡で切れ味のいい辛口に仕上がった。焼き鳥とともに長く愛される逸品を目指している。
「100年フード」とともに
「久留米焼きとり」は鶏肉だけでなく豚や牛、野菜、魚介類といったメニューの豊富さが魅力だ。ホルモンも多く、豚の腸を「ダルム」、心臓を「ヘルツ」とドイツ語で呼ぶのは、市内に多い医学生が医学用語で注文したからとも言われる。一般社団法人「久留米焼きとり文化振興会」によると、市内には220~230の焼き鳥店があるとされる。
そんなソウルフードが、世代を超えて地域で受け継がれる食文化として文化庁の「100年フード」に名を連ねた。久留米市が公募に名乗りを上げたのを機に、市内の酒類卸小売会社「IZUMIYA」の堤準也常務や、「庭のうぐいす」で知られる山口酒造場の山口哲生社長らが日本酒造りに乗り出した。
市内約40の焼き鳥店で!
ワイン界最高峰の国際資格「マスター・オブ・ワイン」を持ち、独立行政法人「酒類総合研究所」認定の清酒専門評価者でもある大橋健一さん(栃木県)に監修を依頼した。大橋さんは久留米を訪れて焼き鳥を食べ、香りや温度を含めた味覚体験を基に、焼き鳥に合う旨味や酸味のバランスを徹底的に設計したという。
完成した「久留米焼きとり日本酒 宵火(よいび)」は、焼き鳥の脂や、甘辛くコクのあるタレに合う酒に仕上がり、市内の焼き鳥店約40店舗で提供されている。堤常務は「口に入れると甘く感じ、キレもいい。100年先も楽しまれる酒に」と期待する。720ミリ・リットル入り1500円(税抜き)。問い合わせは、IZUMIYA本社ショップ(0942-32-7813)へ。