福岡県柳川市や大牟田市沖の有明海で、今季の養殖ノリの摘み取りが本格化している。生産者らは夜から未明にかけ収穫作業に追われている。
「柔らかく香りいいノリ 届けたい」
今季は海水温が高い状態が長引いたが、11月下旬から適温に近づいたため、例年より10日ほど遅れて、今月初めから収穫が始まった。
大川市漁協所属の江口瑠馬(りゅうま)さんは父親らと7日夜、筑後川河口から約9キロ沖の養殖場に到着。機材を積んだ小型舟に、10~15センチに成長したノリを摘み取り、ポンプを使って漁船に移していった。
江口さんは高校を卒業後、父親らと仕事を続けている。養殖ノリは3季連続で深刻な不作に陥っているが、「海水温も低く海況はまずまず。昨季よりいいノリが育っている。軟らかく香りがいい有明ノリを皆さんに届けたい」と明るい表情を見せた。
福岡有明海漁業協同組合連合会(柳川市)によると、昨季は植物プランクトンが減少せず、ノリの栄養になる栄養塩を奪われるなどしたため、生産は約7億8000万枚と、目標の6割ほどだった。今季は12億枚の生産と160億円の販売額を目指している。
advertisement







