福岡県芦屋町の文化施設「芦屋釜の里」で、開館30周年記念特別展「芦屋釜の美と鋳物師の技」が開かれている。同町では34年ぶりの展示となる2点を含む国重要文化財3点を中心に24点を展示している。12月7日まで。
室町時代に芦屋鋳物師が制作した国重要文化財は、釜8点、梵鐘(ぼんしょう)2点、神社仏閣の軒先で布縄を振って鼓面を打ち鳴らす鰐口(わにぐち)1点の計11点。
特別展ではこのうち町が購入した「芦屋霰地真形(あられじしんなり)釜」とともに、九州国立博物館所蔵の「芦屋楓流水鶏図(かえでりゅうすいにわとりず)真形釜」と山口市の今八幡宮所蔵の「鰐口」を展示。この2点は、1991年に町制100周年を記念して同町歴史民俗資料館で披露されて以来の町内での展示となる。
芦屋楓流水鶏図真形釜は、胴部の表に2羽の鶏を闘わせる行事「鶏合(とりあわせ)」の様子が、裏には流水に浮かぶ楓が描かれ、両面で春と秋を表す珍しい釜という。
鰐口は、芦屋鋳物師で最も有名な大江宣秀作で、鼓面の直径が85.8センチと大きい。鼓面には雲龍や宝珠を表し、芦屋鋳物師が得意とした「へら押し」の技術が発揮されている。
特別展の会期中、町歴史民俗資料館では、芦屋鋳物師の工房跡を中心とする同町の金屋遺跡からの出土品などを展示している。両施設共通券は18歳以上400円、小中高生150円。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。問い合わせは芦屋釜の里(093-223-5881)へ。
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