【宮崎】旅先で電動車いすを 宮崎空港で貸し出し開始
宮崎空港(宮崎市)で8月、誰でも簡単に折り畳むことができる電動車いす「WHILL(ウィル)」を貸し出す期間限定の試行事業が始まった。乗用車の後部座席やトランクに収納可能で、歩行が困難な高齢者が旅先で利用することを見込んでいる。
来年2月まで試行事業
ウィルは、商品と同名の製造会社「WHILL」(東京)が近距離向けモビリティー(移動手段)として開発した。
試行事業は県観光協会が事業主体となり、同社から車体2台を借り受けて行う。年齢制限はなく、運転免許がなくても利用できる。料金は1日2000円。空港1階到着ロビーの窓口で車体の貸し出しと返却の受け付けを行う。2026年2月末まで試験的に運用し、同年春以降の本格導入を検討する。
3世代での観光を後押し
今回採用したウィルは「モデルF」(重さ26.7キロ)で、わずか3手順で折り畳みが完了する。操縦かんを傾けた方向に最大時速6キロで進み、手を離すと自動的に停止。高さ3.5センチの段差も乗り越えられ、家庭用コンセントで5時間充電をすると20キロ走行できる。
国内空港では、昨秋に福岡で初めて事業化され、那覇や羽田でも提供が始まっている。県観光協会の担当者は「移動の問題からためらっていた3世代での県内観光を後押ししたい」と話していた。
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