【鹿児島】クジラの立ち寝!? 奄美大島沖合で専門家が撮影
鹿児島県・奄美大島の沖合で、複数のマッコウクジラが直立して眠っているような姿が撮影された。専門家によると、仲間とのコミュニケーションの一環とみられ、近海で確認されるのは珍しいという。
背中越しにコミュニケーションか
奄美群島の海域で生き物の生態を調査している奄美海洋生物研究会の興(おき)克樹会長(54)が撮影した。6月23日午前11時頃、奄美大島中西部・宇検村(うけんそん)の沖約15キロの奄美海盆で、約20頭のマッコウクジラの群れを海面付近で見つけた。このうち中心部にいた5頭ほどが、直立の状態で静止している様子を捉えた。
クジラの生態に詳しい加藤秀弘・東京海洋大名誉教授(日本鯨類研究所顧問)によると、一般に、クジラは人間のように完全に眠ることはないという。マッコウクジラは巨大な頭が邪魔で前方を見るのが難しく、直立の状態になることで背中越しに仲間を視認しながらコミュニケーションを取っているとみられる。
ただ、どんな場合にこうした行動を取るのかは不明で、加藤名誉教授は「今回のような事例を積み重ねて研究が進めば、生態がさらに解明されていくだろう」と期待している。
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