【佐賀】佐賀城本丸の「奥」本格調査へ 関連イベントも
佐賀県は10月から、佐賀市の佐賀城本丸御殿で藩主らの私邸空間だった「奥」エリアの本格的な発掘調査に乗り出す。奥の実像はこれまでの調査ではっきり解明されておらず、佐賀藩主たちの暮らしへの関心が高まりそうだ。調査開始を前に、9月下旬には奥エリアについて知ってもらう関連イベントが企画されている。
本丸御殿は10代藩主・鍋島直正(1815~71年)が1838年に再建。現在は、対外的な公式行事が行われた「表」エリアなどの建物の一部を県立佐賀城本丸歴史館として復元。歴史館によると、本丸御殿が内部まで復元されているのは全国で佐賀城と名古屋城(名古屋市)、熊本城(熊本市)の3か所で、このうち奥エリアが確認されているのは佐賀城のみという。
ただ、本丸御殿の設計図などで奥エリアの存在は確認されているものの、具体的な内部などは分かっていない。10月からの発掘調査では、奥エリアの部屋にどんな機能があったかや、庭園に植えられていた植物などを調べる。調査は2026年度にかけて行われる予定。
9月20~28日に関連イベント
調査開始前の関連イベントは「佐賀城本丸御殿“奥”エリア知ろうウィーク」で、9月20~28日に歴史館などで開催。期間中は、奥エリアに関する謎解きを楽しめるクイズラリーや甲冑(かっちゅう)などの着付け体験(20、21日)を楽しめる。20日は直正の長女・貢姫(みつひめ)が江戸へ移住した際の祝宴料理を参考に佐賀市の「旅館あけぼの」が再現した「貢姫御膳」を味わえる時代食ディナー(1人1万1000円)の提供もある。
また、27日午後1時半からは、県立美術館ホールで歴史作家の河合敦・多摩大客員教授が「御殿の“奥”ってなんだろう」と題して特別講演をする。27、28日は歴史館で特別茶会(1人500円)もある。
歴史館の担当者は「多様なイベントを通じ、藩主たちが実際に生活していたプライベート空間の『奥』エリアを感じてほしい」と話している。
先着順で事前申し込みが必要なイベントもあり、歴史館のホームページ内の専用フォームで受け付ける。問い合わせは歴史館(0952-41-7550)へ。