【山口】秋吉台のジオパーク ユネスコ会議が「承認」勧告
2026年春認定へ 国内11か所目
山口県美祢市は9月9日、ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)の世界ジオパーク認定を目指す「Mine秋吉台ジオパーク」(美祢市全域)について、ユネスコの会議がユネスコ執行委員会に「承認」を勧告することを決めたと発表した。国際的価値のある地質地形遺産などが高く評価されたという。2026年春の執行委で決議されると、国内11か所目となる世界ジオパークに認定される。
認定を申請したのは、市や関係機関、市民らでつくる推進協議会(会長・篠田洋司市長)。24年11月、認定条件となる日本ジオパーク委員会の推薦を受けて申請。25年7月にはユネスコから派遣された審査員2人を迎えた。審査員は秋吉台や市西部の桃ノ木露天掘り跡など約10か所を調査した。
今回は再挑戦だった。19年に日本ジオパーク委員会に推薦を申請した際は「来訪者にその価値を十分に伝えられていない」などとして認められなかった。そこで、推進協は地域住民とともに、Mine秋吉台ジオパークの代表的な地質遺産である石灰岩の「白」、銅の「赤」、石炭の「黒」をテーマに魅力や価値の発信に力を入れ、保全活動やツアー・体験企画なども展開してきた。
2度目の挑戦 価値発信に注力
勧告決定を受け、篠田洋司市長は「地質地形遺産のほか、その保全や教育、地域振興に結びついた市民の活動も高く評価されており、皆さんの尽力のたまものだ。市民、とりわけ子どもたちが世界と“つながる”契機になることを期待している」と語った。
ジオパーク紹介の紙芝居を作っているボランティアグループ「みね華の会」の田代須美江会長(73)は「やっと世界に認められるところまできた。本当にうれしい」と喜んだ。
桃ノ木露天掘り跡周辺の保全活動に取り組む住民団体「ボタッ子クラブ」の園田秀則事務局長(80)は「自分たちがやってきたことが評価された気もする。今後の活動の励みになる」と話した。