【熊本】馬刺しが「機能性表示食品」に 御船町の馬肉会社

 大手馬肉会社「千興ファーム」(熊本県御船町)が、熊本県を代表する郷土料理「馬刺し」を機能性表示食品として販売している。疲労軽減の成分を含んでいることをアピールしており、国内初という。菅浩光社長は「新たな付加価値を持たせることが市場、販路の拡大につながると確信している」と話した。


新たに販売される商品を手に記念撮影する木村知事と菅社長(右)

 機能性表示食品は、健康への効果を表示して販売できる商品。科学的根拠となる資料を消費者庁に届け出ることで、国の審査を受けなくても表示できる。

 馬肉は高たんぱく・低脂質で栄養価が高く、滋養強壮に良いとされてきたが、科学的な根拠がなかった。

疲労軽減成分を発見

 同社は2~3年前から県産業技術センターとの共同研究を始め、馬肉に疲労軽減効果のある「イミダゾールジペプチド」が含まれていることを発見した。鶏肉などにも含まれるが、加熱に弱いため、生肉の馬刺しなら栄養を損なわずに摂取できるという。

 開発した商品は「菅乃屋馬刺しモモスライス」。イミダゾールジペプチドは1日当たり400ミリ・グラムを摂取すると効果があるとされるが、この商品には6割の252ミリ・グラムが含まれる。

 菅社長らが7月下旬に県庁を訪れて完成を報告した。木村敬知事は「食のみやこ熊本県のキーコンテンツの馬刺しで新しい光があたったことがうれしい」と話した。

 商品は1袋40グラムで税込み1080円。菅乃屋公式オンラインショップで販売している。


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