【宮崎】祝子川温泉リニューアル! 広々した露天風呂に

 「九州最後の秘境」とも呼ばれる大崩(おおくえ)山を眺望できる宮崎県延岡市北川町の「祝子川(ほうりがわ)温泉」で、市や指定管理者による改修計画が進み、拡張した露天風呂の利用が始まった。9月13日には現地で式典が開かれる。2025年冬にはサウナも新設される見込みで、利用低迷からの脱却に向け、関係者は「多くの人に魅力ある施設をPRしたい」としている。


雄大な自然を眺められるデッキが新設された露天風呂(延岡市提供)

 同温泉は宮崎、大分両県にまたがる「祖母(そぼ)・傾(かたむき)・大崩ユネスコエコパーク」のエリアにある山あいの日帰り温泉施設で、2000年に開業した。大自然を満喫できる温泉として人気を集める一方、市によると、温泉利用者は減少が続き、新型コロナ禍の21年度は開業当初の1割にも満たない約1500人に減った。22、23年度も4000人台にとどまっており、利用者数の回復が課題となっている。

寄付募り薪サウナ

 市は約2900万円をかけて改修事業に着手し、男女の露天風呂の奥行きを4~6メートルほど広げ、大崩山を望んだり、くつろいだりできるデッキを整備し、今月上旬から利用が始まった。また、調理室の一部を刷新し、19年度から休止していた食事の提供を再開し、メニューも一新した。

 8月からは地元の民間会社「オノコボデザイン」が指定管理者となった。同社は市の事業とは別に、使い道のない木を使った薪(まき)サウナや薪ボイラーの導入費用に充てるため、インターネットを通じて寄付を募る「クラウドファンディング」を実施。企業などの賛同を得て、目標金額の600万円を突破した。薪サウナは今冬に完成予定だ。また、薪ボイラーを使うことで源泉を加熱するために使っていた灯油の削減も期待できるという。


9月13日に式典が開かれる祝子川温泉(延岡市提供)

 市北川総合支所地域振興課の担当者は「多くの人に足を運んでもらい、豊かな自然や地域資源を生かした観光交流の拡大を目指したい」と話している。


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