【大分】くすっと詐欺被害を防止!大分県警が落語で啓発

 大分県内でも特に深刻な「ニセ警察詐欺」などの被害を防ごうと、県警は注意を呼びかける15秒の落語動画を制作した。県出身の落語家・金原亭駒平さんを起用した3本で、公式ユーチューブでは9月末の公開から約2週間でいずれも4万回再生を超える人気ぶりだ。県警は「家族や友人で動画を話題にし、詐欺の手口を知るきっかけにしてもらいたい」としている。

「うそ八百」ニセ警察に注意


ニセ警察詐欺をテーマにした動画のワンシーン(県警公式ユーチューブより)

 「警察です。マネーロンダリング事件であなたに逮捕状が出ています」
 「わしゃ知らん」
 「身の潔白のために800万(円)振り込んでください」
 「ばあさん、銀行行ってくる」

 動画の一つでは、和服姿の駒平さんが、警察を名乗る犯人と被害者の掛け合いを軽快な落語で表現し、こう「オチ」をつける。

 「それは『身の潔白』じゃなくて、『うそ八百』」

県出身の落語家・金原亭駒平さん起用

 県警によると、県内では2025年、9月末までに306件の特殊詐欺被害を確認。被害額は約5億6400万円で、24年同期の約3倍に上る。

 このうち、警察官をかたって金銭を要求する「ニセ警察詐欺」の被害額は全体の6割以上。SNSを利用して投資に誘ったり、恋愛感情などを抱かせたりする「SNS型投資・ロマンス詐欺」は231件発生し、約10億7300万円の被害が出た。若者や中年層が標的になるケースも多い。

 県警は、幅広い世代に知られている落語で訴えることで、より多くの人に手口を周知したい考えだ。

 動画は、ニセ警察詐欺がテーマのものが1本、SNS型投資ロマンス詐欺が2本の計3本。県警の公式SNSやユーチューブのほか、大分中央署大分駅前交番の壁面に設置された大型ビジョンでも放映している。

 県警は「動画が短く、くすっと笑えるところがうけたのではないか」とみている。

 県警安全・安心まちづくり推進室の長畑陽子室長は「SNSや電話で金銭を要求されたら詐欺を疑い、慌てずに警察に相談してほしい」と話している。


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