ドラクエ×博多銘菓で「スライム二○加煎餅」登場 「笑顔の輪が広がれば」

記事 INDEX

  • ドラクエと銘菓の異色コラボ
  • 115年にして初のフォルム変更
  • 煎餅で笑顔の輪を広げたい

 福岡で長年愛される銘菓「二○加煎餅(にわかせんぺい)」を製造する東雲堂(福岡市博多区)が、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」とのコラボ商品「スライム二○加煎餅」(3枚入り、税込み756円)を発売しました。博多駅や福岡空港の売店などのほか、インターネットで9月30日まで販売しています。

ドラクエと銘菓の異色コラボ

 二○加煎餅は1906年、東雲堂の初代・高木喜七氏が、当時の博多駅長に「博多らしい土産を作れないか」と相談を受けて考案。郷土芸能「博多仁和加」の「にわか面」をモチーフにした特徴的な形の煎餅は、友人とけんかした少年が「ごめーん」と謝りに出向くテレビCMでも福岡県民に愛され、ロングセラー商品になりました。


1906年創業の東雲堂

 一方、スマートフォンで楽しむ「ドラゴンクエストウォーク」は、位置情報を使用してドラクエの世界を冒険するロールプレイングゲームです。実在する場所を訪れて特別なクエスト(シナリオ)をクリアすると、ゲーム内のアイテム「おみやげ」を手に入れることができます。

 その「おみやげ」を再現するプロジェクトの第3弾として生まれたのが今回のコラボ商品です。ゲーム中、二○加煎餅のお面をつけて福岡ペイペイドーム(福岡市中央区)などで登場する人気キャラクター「スライム」を商品化しました。


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115年にして初のフォルム変更

 「この形があっての二○加煎餅」という強い思いがあった東雲堂の6代目・高木雄三代表は、今回のコラボにあたり、形はそのままにスライムをかたどった焼き印をつけるアイデアを考えたそうです。しかし「なによりも、お客さんに喜んでもらえるかどうかが大事」と思い直し、115年の歴史で初めて形を変えることを決断しました。


スライム二○加煎餅(上)と、100年以上続く従来の商品

 コロナ禍で出張や旅行が控えられ、土産品の売り上げも大きく落ち込む中でしたが、生地をかたどる機械を新たに導入し、形に合う生地の配合も試行錯誤しました。

 完成した煎餅は、スライムと「にわか面」を組み合わせた愛らしいデザイン。丸い目の模様は職人の手で一枚一枚、焼き付けています。パッケージにはスライムをあしらい、ゲーム中でスライムがつけているものを再現したお面も入っています。


お面をつけたスライムが描かれたパッケージ

煎餅で笑顔の輪を広げたい

 販売を始めると、「かわいい」「115年の歴史を変えるスライムすごい」といった好意的な声が多く寄せられたといいます。7月からは映画「100日間生きたワニ」と手を携えた煎餅を売り出すなど、これからもコラボ商品の開発に取り組んでいく考えです。


二○加煎餅への思いを語る高木代表

 高木代表は「最近は暗い話題が多いですが、煎餅やお面の写真を撮って楽しんでもらい、笑顔の輪が広がっていけばうれしいです」と話しています。


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