「週末移住」のすすめ キャンプ女子株式会社の提案
記事 INDEX
- 国内最大規模の女性向けキャンプSNS「キャンジョ」
- 週末の趣味がビジネスに
- 福岡市・油山でお手軽グランピング
キャンプ女子株式会社。たまたま手に取ったプレスリリースに、こんな気になる企業名が書かれていました。いったい何者。すぐに取材を依頼して話を聞いてみると、昨今の「働き方改革」がキャンプブームの呼び水になっているのだそう。さて、その理由とは。(文:山根秀太、撮影:足立浩史)
キャンプ女子。略して「キャンジョ」
キャンプ女子株式会社(キャンジョ)は、あたらしいキャンプをつくる「NEO CAMP(ネオ・キャンプ)」をコンセプトに、「キャンプで世界を変える」「キャンプで人と人をつなぐ」を目指して事業展開しています。キャンプ予約サービスやキャンプイベントの企画・運営、キャンプ関連セミナーの開催、キャンプ場や近年話題のグランピングのプロデュース、さらに企業向け研修などを行っています。ターゲットは社名の通り、女性です。
代表の橋本華恋さんです。それにしても「キャンプ女子株式会社」って引きの強い社名ですね。
キャンプ女子は6月に株式会社化したばかりです。利用者の多くが女性で、キャンプ場の予約からテント設営・撤収まで全て代行するグランピングサービス「キャンシェルジュ」などを展開しています。
グランピング:「グラマラス(魅力的、華やかな)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語。テントに家具や家電を持ち込むなど、快適さを重視した贅沢なアウトドア体験として人気を集める。国内ではテント泊だけでなく、コテージ泊なども広義のグランピングと称することがある。
週末の趣味がビジネスに
キャンジョは、女性ならではのおしゃれで可愛いアイテムを使ってキャンプをする人たちを応援しているそう。インスタグラムの公式アカウントは開設からわずか3か月でフォロワーが1万人を突破。現在約3万3000人で、女性向けのキャンプアカウントとしては国内最大規模です。アウトドアブランドとのコラボなども手掛け、可愛いグッズに美味しそうな料理、絵になるキャンプ場など、おしゃれにキャンプを楽しみたい女性がチェックするそうです。
橋本さんはキャンプ好きが高じ、起業まで成し遂げました。キャンプにはまるきっかけは何だったのでしょうか。
熊本市出身の橋本さんは、北九州市立大学を卒業して、福岡市内の会社に就職しました。キャンプと出会ったのは3年前。長崎県内で開催された野外フェスに友人と参加し、2泊3日のキャンプを初体験したそう。同じ場所に24時間いて、周りには音楽があふれている。その体験がきっかけになり、毎月キャンプに行くようになったそうです。
生活ががらっと変わりました。居酒屋で朝の3時、4時までお酒を飲んでいた生活をやめました。有給を取るようになったし、仕事も早く終わらせるようになりました。仕事に疲れていたのかもしれませんが、たき火を眺めるだけで何もしないし、頭の上には星空が広がっているし。一緒に行った人と話すだけでも楽しかったです。
そういう話を聞くとキャンプいいなぁってなっちゃいますね。
大人数で行くと仲良くなれますしね。火を囲むと仲良くなれる。逆にソロキャンプだと疲れた心をリセットできます。自然から癒やしを得られますよ。
疲れた心もリセットしたいし、友達もほしい(笑)
仕事でストレスを抱えていると自然を欲しますよね。最近は「働き方改革」で会社員の方も連休を取りやすくなったので、キャンプに出かけやすい環境になっているようです。
居酒屋に飽きたら"週末移住"
近年のキャンプブーム。働き方改革によって余暇の時間が増えたことが後押ししています。さらに、若い人を中心に価値観が多様化していることも背景にあるようです。
今のキャンプは寒いのを我慢したり、虫におびえたりする必要はありません。テントを立てて絨毯を敷いて家具を置く。自分の好きな空間をまるごと持っていく"週末移住"ですね。
遊牧民かよ……
そうです。大げさじゃなくて。ほんとうにそういう世界観ですね。これから週末移住のスタイルがはやると思います。
それに最近は社員旅行の問い合わせも増えています。最近、若い人は居酒屋での飲み会を嫌がるみたいです。
それは分かる。仕事の愚痴とか人事の話とか、ましてや「俺の若い頃はな」とか聞きたくない(笑)
お酒を飲まない人も増えていますしね。飲み会だと先輩に気を遣わないといけない上に、お金もそれなりに必要です。福岡県添田町のキャンプ場では日帰りグランピングを提供しています。テントを立てるので、日帰りでもグランピングです。
いいなぁ。足立さん(カメラマン)、これみんなで行きましょうよ。
油山グランピングが11月2日オープン
キャンジョは11月2日、福岡市南区の「油山市民の森」に、手ぶらで気軽にグランピング体験ができる「油山グランピング」をオープンします。高価と思われがちなグランピングがホテル宿泊以下の価格で体験でき、必要なのは食材のみ。手軽でおしゃれなグランピング体験は、10月27日からLINEとインターネットで予約を受け付けています。
「もっと気軽にグランピング体験をしてもらいたい」。キャンジョはグランピングに必要なテントやタープ、テーブル、食器などをキャンプ場で貸し出し、設営も経験豊富なスタッフがサポートしてくれます。暖房器具もプランに含まれ、広いテントの中で暖かくゆっくりと過ごせるそうです。「テントやタープ、テーブルなどを自分で購入すると高額になってしまいます。おしゃれなアウトドアアイテムで、手軽にグランピング体験が楽しめます」と橋本さんは勧めてくれました。