さあ、どこに行けるかな? 緑広がる公園の高台に現れた「ピンクのドア」
「この扉を開けると、どこへでも行けそう」――。そんな"未来の道具"を思わせるオブジェが置かれた写真スポットが、北九州市小倉北区の福岡県営中央公園に登場して話題になっている。その名は「ピンクのドア」。家族連れやカップルらが扉を開けて、展望台の眼下に広がる景色をバックに写真撮影を楽しんでいる。
漫画「ドラえもん」のひみつ道具から着想を得て今春、桜の時期に合わせて設置。「展望台から見る桜のすばらしさを知ってほしい」という思いからだった。知る人が少ない場所にドアを置けば、注目してもらえるのではないか、とも考えた。反響は予想以上で「ドアはどこで見られるの?」との問い合わせが寄せられているという。
公園ではドアを広くPRしたり、案内板で知らせたりしていない。担当者は「知る人ぞ知る、謎めいた存在の方がワクワクしませんか?」といたずらっぽく笑う。
展望台から飛び立つイメージの写真が撮れるのでは――。そんな遊び心から、公園職員が手作りした竹とんぼ形の玩具がドアのそばに置かれ、こちらも親子連れらに好評だ。
SNSで知って北九州市内から家族4人で訪れた父親(29)は「家族で写真を撮りたいと思い、やって来ました。地元にこんな場所ができて面白いですね」と、ドラえもんが大好きな兄弟がドアを何度も行き来する姿を優しいまなざしで見つめた。
もしこれが本物の「どこでもドア」だったら、自分なら、どこへ行くだろうか? 緑広がる公園で、空想にふけるひとときも楽しかった。