福岡県立美術館になぜキタノ? 北野武さんの絵画をひそかに展示中

記事 INDEX

  • タイトルなし。さらに謎の署名も。
  • 所有者が昨年6月に県へ寄託。
  • 展示は1月26日まで。

 タレントや映画監督として活躍するビートたけしこと北野武さんが描いた絵画が、福岡市中央区の福岡県立美術館でひそかに展示されています。県立美術館のコレクションを紹介する企画展の一環ですが、北野さんは絵画を売らないことでも知られています。どうして県立美術館に北野さんの絵画があるのでしょうか。美術館に聞きました。


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タイトルなく謎の署名も


展示している北野さんの「縄文土偶」(仮題)

 数々の映画を手がけてきた北野さん。画家としても2010年にフランス・パリで展覧会を開催し、国内でも2016~2018年に巡回展「アートたけし展」を成功させるなど画才を発揮しています。土偶をモチーフに描かれたこの絵画は、豊かな色彩が特徴で、県立美術館によると「アクリル画もしくは油彩画とみられる」そうです。作品のタイトルがないため、「縄文土偶」という仮題がつけられています。制作年は不明で、絵の右下にはローマ字の署名らしきものも確認できます。


絵の右下にある謎の署名

三井高校の創立100周年で贈られた作品

 美術館などによると、この絵画は北野さんと親交のある三井高校(福岡県小郡市)の同窓会関係者が、2014年の三井高校創立100周年を記念して制作を依頼。絵画は2枚贈られ、この関係者は一枚を三井高校に寄贈し、もう一枚の「縄文土偶」を昨年6月に県に寄託しました。三井高校では校長室に作品を展示しています。北野さんは自身の絵を売らないと公言しており、そういった意味でも貴重な作品です。寄託を受けた県は昨年11月30日、九州歴史資料館(福岡県小郡市)で開かれた「九州歴史資料館 古代体験まつり」で、北野さんの作品として初めて一般公開しました。


三井高校に寄贈された北野さんの絵画(提供:三井高校)


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告知なしの理由は?

 「縄文土偶」は県立美術館のコレクションを紹介する企画展で展示しています。しかし、美術館のウェブサイトでは北野さんの作品については触れられていません。美術館は「今回の企画展は写真家・山口睦男をメインに開催しています。そういった理由で告知はしていません」ときっぱり。企画展の終了後は、県庁の知事室の前室に飾られる予定で、県は依頼に応じて貸し出しを検討するそうです。


 北野さんの作品も展示している「コレクション展Ⅲ 山口睦男と福岡の美術家たち」は1月26日まで。料金は一般210円、高校・大学生140円、小中学生60円で、月曜休館(13日は開館し、翌14日に休館)です。

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