鳥飼八幡宮がメタバース空間に登場 誰もが集える場所を目指して

メタバース空間に”創建”された「鳥飼八幡宮」(鳥飼八幡宮提供)

記事 INDEX

  • 未来へと続く祈りの場
  • 神社も時代に合わせて
  • アバターで境内を散策

 誰もがいつでも集える“メタバース神社”――。福岡市中央区の鳥飼八幡宮が、メタバースと呼ばれるインターネット上の3次元空間に、拝殿や社務所などを再現して公開しています。スマートフォンのアプリで、自分の分身となるアバターを操って参拝できます。山内圭司宮司は「遠方に住んでいる方や体が不自由な方、外出できない人たちの心のよりどころとなり、様々な人に親しまれる場にしたい」と話します。

未来へと続く祈りの場

 鳥飼八幡宮は、約1800年前から福岡の地に鎮座する神社です。福岡城を築いた黒田家ともゆかりがあり、地域の人々に愛されています。


モダンな雰囲気の社殿が目を引く境内

 昨年春から、老朽化した社殿を205年ぶりに総建て替えする大遷宮を行い、今年3月に完了しました。新しい拝殿は、大きな石を柱として配置しており、古代からの信仰の形「磐座(いわくら)」がモチーフ。壁は茅葺(かやぶ)きでモダンな雰囲気に生まれ変わりました。

 自然の尊さを感じることができる造りを目指したといい、山内宮司は「この場所が千年続く祈りの場になってほしい」と話していました。

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神社も時代に合わせて

 今後も長く愛される場所であるために、どうすればいいのか――。山内宮司はかねて、神社の在り方を思案する中で、デジタルとの融合について考えを巡らせてきたそうです。神社が伝統や文化を未来へ伝える存在であり続けるには「時代に合わせた変化、最適化も必要」との考えに至りました。

 メタバースは、SNSとは異なる新たなコミュニケーションツールとしての展開が期待されています。「オンラインで人と人とが交流し、それがリアルにもつながっていけばうれしい」と山内宮司は話します。


メタバース空間に現れた社殿

 仮想空間の神社は、制作会社が現地調査を行って春先に”建設”に着手。6月1日から公開が始まり、スマホやタブレット端末があれば世界中どこからでも参拝できるようになりました。

アバターで境内を散策


鳥飼八幡宮の参道に立つアバター

 スマホやタブレットで専用アプリをダウンロードし、分身のアバターを作って“ワールド”に入ることができます。


手水舎でアバターが手を清める

 メタバースの鳥飼八幡宮は、宇宙空間に浮かぶ神社をイメージし、本殿や拝殿、手水(ちょうず)舎、社務所などが忠実に再現されています。アバターを操って、手水舎で手を清め、二礼二拍手一礼による参拝を行い、おみくじを引くといった一連の体験ができます。


㊤実際の拝殿 ㊦仮想空間で参拝するアバター


 境内を散策して「豆知識カード」を集めることもできます。カードには神社にまつられている神様、歴史や文化、参拝の作法などが書かれています。カードは全部で37枚。境内のごみを拾ったり、二礼二拍手一礼を守って参拝したり、イベントをクリアすると新しいカードが出現するそうです。

 何度訪れても楽しめる“遊び”の要素も充実。アバターの服を宮司や巫女(みこ)の衣装に着せ替えたり、境内を制限時間内に巡るタイムトライアル「福男・福女」といったゲームで楽しめたりします。


神社にすみつく猫。近づくと逃げてしまうところも再現

 境内で暮らす猫も登場し、猫を追いかけたり、友だち同士で拝殿の内部や建物の屋根を探検したりと、いろいろな楽しみ方が用意されています。

 山内宮司は「デジタル空間でファンになってもらい、リアルの鳥飼八幡宮にも来ていただければうれしいです」と話しています。



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