博物館・美術館を楽しもう!福岡ミュージアムウィーク2024

「国際博物館の日」から始まる福岡ミュージアムウィーク

記事 INDEX

  • スタンプラリーを実施
  • 芸術や文化に触れよう
  • 新たな発見があるかも

 ミュージアムには、学び! 発見! 出会い! があふれている――。「国際博物館の日」の5月18日(土)から26日(日)まで、福岡市では市内の博物館や美術館を巡るイベント「福岡ミュージアムウィーク2024」が開かれます。施設によって観覧が無料になったり、配布しているチラシを提示すればグッズがもらえたりします。

スタンプラリーを実施

 国際博物館の日は、博物館が社会に果たす役割を広く知ってもらうために、フランス・パリに本部を置く国際博物館会議が1977年に制定しました。世界各地の博物館で、この日を中心に無料開放を行ったり、記念イベントを開いたりしています。

 福岡市は2009年度から福岡ミュージアムウィークと銘打ち、博物館や美術館などと連携して事業を展開してきました。15回目になる今年は、市内18施設が参加します。


イベントに参加する18施設のマップ

 期間中はスタンプラリーを行います。イベントのチラシを持って3か所を巡り、スタンプを集めて応募すると、抽選で企画展やプラネタリウムの鑑賞券、ミュージカルの招待券、美術館レストランのランチ券などが当たります。チラシは各施設のほか、同市・天神とJR博多駅にある観光案内所で配布しています。


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芸術や文化に触れよう

 福岡ミュージアム連絡会議事務局によると、イベント期間中は例年、福岡市美術館や市博物館、市科学館などの利用者がいつもより増えるそうです。芸術や歴史・文化に触れて、多くの人に楽しんでもらおうと、今年も各施設が企画を用意しています。

福岡市博物館

 福岡市博物館では常設展と企画展の観覧が無料になります。福岡藩主・黒田家に伝わる甲冑(かっちゅう)や和歌、肖像画などを紹介する「黒田家名宝展示」を開催しており、70点以上の史料がそろいます。市内の古墳から出土した埴輪(はにわ)25点を集めた展示「ふくおかのはにわ」も見どころの一つです。


展示されている黒田家ゆかりの品「黒漆塗帽子形兜」(福岡市博物館提供)


 国宝「漢委奴国王印」も見ることができ、18日には先着100人限定で、金印のレプリカを使って粘土で封印する「封泥(ふうでい)」体験のワークショップを開きます。

福岡市美術館

 福岡市美術館はコレクション展示を観覧無料に。市美術館は主に、江戸時代以前の古美術、20世紀以降の近現代美術を収集し、幅広い年代や地域の作品を楽しめます。

 古美術では「東光院のみほとけ」を開催中で、同市博多区の薬王密寺東光院から寄贈された薬師如来座像など仏像17体が並んでいます。暗い室内で仏像に照明を当てる演出により、間近で見ると顔の彫りや陰影がはっきりと伝わります。


「東光院のみほとけ」の薬師如来座像など(福岡市美術館提供)

 近現代美術では、草間弥生さんをはじめ、ダリやミロ、シャガールといった教科書に出てくるような作品も鑑賞できます。


初めてのベビーカーツアーの様子(同)


 22、23日は1歳半までの子どもと親を対象に「初めてのベビーカーツアー」を開きます。学芸員と一緒に、子どもの目線や反応しやすい色などを考えながら作品をゆっくり楽しみます。25日は美術館の建物をじっくり見る「建築ツアー」を実施。いずれも13日までにメールか往復はがきで申し込みが必要です。

福岡アジア美術館

 福岡アジア美術館では開館25周年記念のコレクション展「アジアン・ポップ」などが無料で観覧できます。


開催中の「アジアン・ポップ」のポスター


 1980年代頃からアジア各地で制作されたポップアートを紹介する展示。酒やたばこなどの商業広告、映画やプロパガンダのポスターなどが会場に並びます。


展示作品「ガンボージ色のガッバル」。中央の銃を構える男性が映画に登場する悪役ガッバル(福岡アジア美術館提供)


 25日17時からは、展示作品「ガンボージ色のガッバル」のモチーフとなったインド映画の名作「ショーレー(炎)」について、インドに詳しい映画評論家・バフィー吉川さんが解説します。

福岡市科学館

 福岡市科学館はチラシを提示した人の入場料を値引きします。大人510円が460円、高校生310円が280円、小中学生200円が180円に。また同館は、矢原徹一館長が全国で見つけた植物の新種を紹介する「新種はっけん!展」(無料)を開催中です。

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福岡市動植物園

 福岡市動植物園では、チラシ持参で入園料が2割引きになります。飼育員が動物の癖や習慣などを解説する「ZOOスポットガイド」なども行います。

新たな発見があるかも

 ミュージアムウィークに参加している博物館や美術館には、大学や一般企業などが運営している施設もあります。訪れたことのない場所があれば、この機会に新しい発見を求めに行くのもよいかもしれません。

九州産業大学美術館

 九州産業大学美術館は入館無料になります。「『遊ぶ』―おもちゃと造形をめぐる8章―」を開催中で、同大芸術学部が資料として収集している玩具、美術館所蔵品の計約100点を集めました。


「『遊ぶ』―おもちゃと造形をめぐる8章―」のチラシ


 会場では、スイスの木製玩具メーカー・ネフ社の積み木やこま、ミニカーなどを中心に、「かたち」や「色」などの共通点から、おもちゃとの親和性が高い絵画や写真など、それぞれの作品をテーマごとに紹介します。


展示されているネフ社のおもちゃ(九州産業大美術館提供)

 チラシ持参で、エコバッグやクリアファイルなどオリジナルグッズがもらえます。

福岡女子大学美術館

 福岡女子大学美術館では、大分県を拠点に活動するアーティスト・東智恵さんの個展を開催中。女性像、サクラやフジなどの植物をモチーフに、アクリルやデジタルなどで描いた絵画約30点を展示しています。


「春の企画展 東 智恵」のチラシ


 同大美術館の入館料は普段から無料で、「地域との連携と交流の促進」を目的に、福岡ゆかりの作品なども紹介しています。ミュージアムウィークをきっかけに、芸術との出会いを広げてみてはいかがでしょうか。

王貞治ベースボールミュージアム

 王貞治ベースボールミュージアムは、大人(16歳以上)の入場料1800円を1600円、小人(7~15歳)900円を800円にします。同ミュージアムがある複合施設「ボス イーゾ フクオカ」の3階インフォメーションでチラシを見せ、値引きしてもらいます。

 ミュージアムでは現在、福岡ソフトバンクホークスを率いる小久保裕紀監督の野球人生を紹介する企画展を開催しています。写真やパネル展示などで、幼少期からプロ野球界での活躍までを深掘りしています。

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チームラボフォレスト福岡―SBI証券

 チームラボフォレスト福岡―SBI証券は、描いた塗り絵が投影されるコーナーなどが2月に新設され、内容がより充実しました。ボス イーゾ3階のインフォメーションでチラシを提示すると入場料が値引きされ、16歳以上は2200円が2000円に、15~4歳は800円が700円になります。

 ほかにも「博多の食と文化の博物館ハクハク」「能古博物館」「高取焼本家味楽窯美術館」などがミュージアムウィークに参加。それぞれ特典などを用意しています。

 市の担当者は「いろんなミュージアムが企画を予定しています。行ったことのない施設があれば、この機会にぜひ足を運んでみてください」と話しています。


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