魚を食べよう! かまぼこの材料で作った新感覚の麺が話題に
記事 INDEX
- どうしたら食べてもらえる?
- 「レンチン」で手軽に1人前!
- 待っていました! CFで反響
魚をもっと食べてほしい――。「魚ばなれ」に歯止めをかけようと、福岡市南区の練り物メーカー「博水」が、かまぼこの材料で作った麺「HAKATA BOKOMEN!」を開発しました。スープ・具材と一体になった冷凍タイプで、プリプリもちもちの食感が特徴。クラウドファンディング(CF)で、7月30日まで応援購入を募っています。
どうしたら食べてもらえる?
新製品は、5代目で専務を務める江越雄大さん(34)が考案しました。博水は1903年(明治36年)創業の老舗。玄界灘でとれたエソを主原料に、かまぼこなどを製造しています。食の欧米化や多様化によって、食卓に魚料理が並ぶ機会は減り、江越さんによると、練り物の消費量も減少傾向が続いているそうです。
「どうしたら食べてもらえるか」と思案する中、江越さんはうどんやラーメンなど福岡に根付いた”麺文化”に注目しました。練り物で作った麺を博多の味が楽しめるスープと合わせれば、主食として様々な場面で消費されるのでは――と考えました。
「レンチン」で手軽に1人前!
「BOKOMEN!」は、1人前をセットにして冷凍しており、器に移して電子レンジで温めるだけで手軽に食べられます。
麺はエソなどの魚肉とでんぷん、砂糖、塩を混ぜてすり身にし、機械で押し出して成形します。材料の配合を試行錯誤し、かまぼこよりモチモチ感が強く、食べ応えのある麺ができました。江越さんは「グルテンフリーで小麦アレルギーのある人も楽しめます」と話します。
スープは鹿児島県出身のフードクリエイター・丸山千里さんに監修を依頼。「博多とんこつ」「あごだし柚子胡椒(ゆずこしょう)」「明太クリーム」の3種類をそろえました。
クリーミーな博多とんこつ味は、麺から出る魚介のうま味がマッチした一杯に仕上がりました。あごだし柚子胡椒は、だしのきいた醤油(しょうゆ)ベースで、ゴボウの深みと柚子胡椒の辛みが楽しめます。明太クリームは、まろやかな豆乳と鶏ガラがベースのスープに明太子のピリッとした辛さが引き立ちます。
スープの隠し味には、同社の「えそ醤(ひしお)」を使っています。かつては廃棄されていたエソの内臓や骨などを、1年以上発酵させて作った魚醤(ぎょしょう)で、スープのうま味をより奥深いものにしています。
待っていました! CFで反響
「ヘルシーなので、小腹がすいたときや、飲んだ後のシメの一杯で食べても罪悪感がありません」と江越さんは言います。ダイエットや筋力トレーニングなど、健康に気を使っている人にもおすすめだそうです。
CFサイト「Makuake」で6月12日から応援購入を募ったところ、目標の30万円を初日で突破し、150万円に迫る勢いです。サイトには「こんな麺を待っていました!」「新食感、楽しみです!」「ヘルシーなところにひかれました」といったコメントが寄せられています。
秋以降の一般販売を目指しているという「BOKOMEN!」。江越さんは「新しい福岡の食文化の一つとして広がっていったらうれしい」と話しています。