首都圏でも!海外でも! 「軟らかい」福岡のうどんが快進撃
多くの客でにぎわった香港の博多やりうどんの開店日
福岡県内のうどんチェーンによる首都圏など、県外への出店が昨年以降、勢いづいている。全国チェーンが多い讃岐うどんに比べると軟らかい麺が特徴で、受け入れられるか注目されていたが、いずれも好調だ。海外展開も始まった。
(川口尚樹、遠藤信葉)
「おいしい!」初日から盛況
やりうどん
西日本鉄道グループは10月25日、福岡県内で展開する「博多やりうどん」の海外1号店を香港中心部の尖沙咀(チムサーチョイ)にオープンした。やりに見立てた長さ32センチのゴボウ天をトッピングした看板メニュー「やりうどん」など、福岡で人気のメニューをそろえ、来店した鄭優美さん(50)は「スープがとてもおいしい。麺も軟らかいのに弾力がある。長いゴボウもユニークで人気が出ると思う」と話した。
西鉄の林田浩一社長は「東南アジアなど出汁(だし)文化のある地域に展開したい」と話し、さらなる出店も検討している。
資さん
県外展開の口火を切ったのは北九州市の「資(すけ)さんうどん」だ。大手飲食チェーン「すかいらーく」の傘下入りを機に2024年12月、千葉県に関東1号店を出店し、10月末時点で東京や埼玉、神奈川県などに計12店舗を展開する。
関東では1店舗あたりの平均売上高が、すかいらーく傘下のファミリーレストラン「ガスト」など、グループの他業態の約3倍に上る。資さんも26年に台湾に海外初の店舗を出す準備を進めている。
「はじめは驚かれるけど…」
因幡うどん
ラーメン店「一風堂」を展開する力の源(もと)ホールディングス(福岡市)が運営する「因幡うどん」も4月、東京・原宿に県外で初めて出店した。担当者は「はじめは軟らかい麺と透明なスープに驚かれるが、味は好評だ」といい、訪日客も含めて集客は好調だという。
うちだ屋
福岡市のうどんチェーン「うちだ屋」も関東出店に向け、候補地を選定中だ。
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九州経済調査協会の得能万里奈研究員は、「物価高の中、ほかの麺類と比べて価格が低く、大企業の支店が多い福岡に駐在経験がある関東在住者も多いことが関東で受け入れられた要因だろう」と分析している。







