天神イムズでピクルスづくり 中村学園大学がフードロスを考えるイベント

記事 INDEX

  • イムズでピクルスづくり
  • ふぞろいの野菜たち
  • 毎日お茶わん1杯分のご飯を廃棄

 廃棄されてしまう野菜を使ってピクルスをつくり、食品ロス(フードロス)を考えるイベントが11月28、29日、福岡市・天神のイムズで開かれました。企画した中村学園大学(福岡市城南区)の手嶋恵美准教授は「地域の農業を支え、食品ロスを考えるきっかけになれば」と話しています。


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ふぞろいの野菜たち

 ピクルスづくりのイベントは、食べられるのに捨てられてしまう食品ロスの問題について理解を深めてもらおうと、中村学園大学流通科学部と、イベント会場の「ローカルデベロップメントラボ」が共催しました。


野菜を切ったり型抜きしたりして瓶に詰める

 用意された野菜は、福岡県内の市場で競りにかけられ、かたちが不ぞろいなために普段なら廃棄されていた大根やニンジン、キュウリ、セロリなどです。

 参加者は手嶋准教授のゼミ生の指導を受けながら、野菜を切ってガラス瓶に詰め、酢に漬け込みました。そのまま1日おけばピクルスの完成です。多くの家族連れが、楽しそうに野菜の瓶詰め作業をしていました。


瓶詰めを終えたピクルス

毎日お茶わん1杯分のご飯を廃棄

 農林水産省によると、国内の食品ロスは2017年度推計値で年間612万トン。そのうち、外食産業や食品製造業など事業系の食品ロスが328万トン、家庭からは284万トンにのぼります。これは国民1人当たり、お茶わん1杯分のご飯を毎日捨てている計算になります。


国内の食品ロスを示したグラフ(農林水産省のウェブサイトより)

 今年は新型コロナウイルスの影響で、それまで飲食店で消費されていた大量の野菜が行き場を失い、収穫されないまま廃棄されるケースも増えています。ローカルデベロップメントラボでは、福岡県内の青果市場で廃棄される予定だった野菜を安く買い取って販売しています。味に遜色はなく、利用客にも好評といいます。


ローカルデベロップメントラボが割安で販売しているフードロスの野菜

 手嶋准教授は「大量の食品が消費される機会すらなく廃棄されています。うまく利用できないか、今後もこういったイベントを通じて、考えるきっかけづくりをしていきたい」と話していました。


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