国名勝「松濤園」の松を未来に!柳川・御花がクラファンで呼びかけ

松濤園でクロマツの状態を確認する立花社長(右)と別府社長

 福岡県柳川市の料亭旅館「柳川藩主立花邸御花」の運営会社は、敷地内にある国名勝の日本庭園「松濤園(しょうとうえん)」の松を守っていくため、インターネットで寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。造園の専門家は「松と岩のみで構成された庭園はきわめて貴重」とし、運営会社の立花千月香(ちづか)社長は「100年先の未来にも庭園を残すために取り組んでいく」と強調する。

クロマツの維持が困難に

 御花は、柳川藩主・立花氏の邸宅として江戸時代に築かれた。料亭旅館は藩主の子孫が経営している。約2万3000平方メートルの敷地全体が国名勝に指定されており、うち1910年(明治43年)に築かれた庭園は約4000平方メートルを占めている。日本庭園には四季の花や樹木を植えることが多いが、松濤園は池の周囲にクロマツ147本と岩が配され、優美で力強い景観を楽しめる。

 松は手入れが難しく、多数の職人がほとんどを手作業で管理してきた。樹齢200年前後の松もあり、近年は枯れたり、虫による被害で弱ったりしているものもあり、危機感が高まっているという。

 地元の造園業者だけでは作業が間に合わなくなったこともあって、2025年から、太宰府天満宮(太宰府市)の大クスの治療に携わった福岡市の「別府梢風園」に作業を頼んだ。これまで、松の枝葉が密集している場所の枝を調整する「透かし剪定(せんてい)」や、定期的な消毒作業、松を内側から元気にするための施肥などを行ってきた。

 別府大輔社長は「枝葉が密集すると、風や光が通らず虫が発生するようになる。枝を透かして庭の景色を見ることもできない。根が広がっている地面の管理も今後、不可欠になる」と話す。

共感を広め、100年先へ!


CFサイト「READYFOR」のページ

 CFは5月末まで受け付け、目標額は1000万円としている。庭園の維持管理費は毎年400万円ほどだが、立花社長は「手入れを怠れば、松は枯れてしまう。今後は造園の専門家を交え、(寄付金を加えた)年間約800万円をかけて本格的な再生に踏み出したい」と説明する。

 その上で、持続的な管理体制を構築するため、専門家に松の管理を学び、スタッフや地元造園業者の育成にもつなげたいという。立花社長は「100年後の未来のため、松への理解と取り組みに対する共感を広めたい」と語った。

 返礼品も用意しており、庭園の年間無料見学パスのほか、5000円から100万円まで寄付額に応じて、オリジナルハンカチ、ウナギのかば焼き、庭園の松を使った草木染のTシャツ、館内ガイド付きペア宿泊券などがある。

 CFの内容は御花のホームページでも確認できる。問い合わせは御花(0120-336-092)へ。


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