中学生が大牟田PR菓子を考案!地元店協力で商品化

大牟田の魅力が詰まったシュークリーム「橘クロえもん」

 福岡県にある大牟田市立橘中学校の生徒9人が、石炭などにちなんだ黒いシュークリーム「橘クロえもん」を考案し、地元菓子店の協力で商品化された。シュー皮にチョコレートを練り込んで黒色にし、中身は地元産ミカンなどを使って三池港の「光の航路」を再現した。生徒たちは「大牟田を盛り上げる名物の一つになってほしい」と期待している。

炭鉱の歴史や「光の航路」表現

 同市の一般社団法人・OMUTA BRIDGE(オオムタブリッジ)が企画したまちづくりプロジェクト「ジュニアシティメーカー(JCM)」の一環。子どもたちが地域の大人たちと対話しながら、地元農産物を使った商品の開発から販売までを体験する取り組みで、橘中では昨年5月から約1年間かけて行われた。

 その中で9人は、同市草木の菓子店「パティスリープランツ」を営む末吉辰隆さんと連携し、大牟田の魅力を伝える商品の開発に取り組んだ。商品開発や広報、デザインなど役割を分担し、放課後などに集まってターゲットの客層や価格、販売数など商品化へ向けた話し合いを重ねた。

 その結果、炭鉱で栄えたまちの歴史をイメージさせる黒いシュークリーム(直径約5センチ)が完成。中のクリームには県産イチゴ「あまおう」を使い、地元産の「山川みかん」のジュレを挟むことで「光の航路」を表現した。皮には目玉を付け、かわいらしいスイーツに仕上がった。食感の良さと、イチゴとミカンのフルーティーな味わいが特徴だ。

 製造を担当した末吉さんは「皮に目玉を付けるのは作業が大変で、コストもかかる。包装に目玉を描くなどの代替案も出したが、子どもたちは他の製造過程でのコスト削減を考えるなどして難題をクリアした。よくやってくれた」と振り返った。

「商品は思いの結晶」

 9月29日に市役所で報告会が開かれ、参加した生徒9人が末吉さんが作ってきた完成品を試食した。

 生徒の代表(3年)が「目玉を付けることで親しみやすさを出した。商品名は良いものを意味する方言『ええもん』と、三池の石炭を発見したとされる農民、伝治左衛門(でんじさえもん)から名付けた」とPR。オオムタブリッジ代表理事の菅原知之さんは「中学生たちの思いの結晶が商品になった。石炭だけではない大牟田の魅力が詰まっている」と喜んだ。

 商品はパティスリープランツで販売している。1個税込み518円。問い合わせは同店(0944-88-8868)へ。


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