福岡県宗像市沖の地島で半世紀前に途絶えたサツマイモ栽培を復興し、漁業と並ぶ収入源を確保することで島への定住を促し、有人島としての存続を目指すプロジェクトが、今年も始まった。5月20日には、漁村留学生として島で暮らす児童や元留学生ら約20人が苗を植えた。
プロジェクトに取り組んでいるのは、離島振興に関わってきた市職員や会社経営者らでつくる「地島応援団」。2018年に耕作放棄地を開墾するなどの活動を始め、本格栽培2年目の昨年は約1トンを収穫した。地島ブランドのサツマイモは徐々に知られるようになり、料理店や菓子店などが仕入れている。
干し芋加工も計画
今年は3か所で栽培するほか、活動に触発された島民が応援団の支援を受けながら別に3か所で育てる予定。干し芋の加工も計画している。
児童らは20日、応援団のメンバーから教わりながら、約400平方メートルの畑に人気品種「べにはるか」の苗を丁寧に植え付けた。小学5年の時に留学生として島での生活を経験した県立宗像中2年の男子生徒(13)は父親と参加し、「芋作りで活気のある島になってほしい。収穫までに何度も島に来たい」と話した。