大雨被害を免れた「資さん」の器が完売 小石原焼の窯元

 7月の記録的大雨で被災した小石原焼の窯元「小野窯元」(福岡県東峰村)の再建を支援しようと、人気うどんチェーン「資(すけ)さんうどん」を展開する「資さん」(北九州市小倉南区)が9月27日、同窯元で制作され、被害を免れた「資」の字入りの器を販売し、即日完売した。収益は同窯元に寄付する。

再建支援へ収益を寄付

 同社や窯元によると、資さんうどんの一部店舗では長年、小野窯元の器を使用している。


「資」の字が入った小野窯元制作の器(同窯元提供)


 同窯元では7月、工房や窯が土砂に埋まる被害を受けた。復旧の見通しが立たない中、土砂の隙間から在庫として残っていた「資」の字入りの器が見えていたため、8月に窯元の関係者やボランティアらが掘り出した。同社は窯元の再建支援に役立てようと、洗浄・消毒し、傷がないことが確認された器の販売を決めた。


 器は丼50個、おでん用皿80枚、ぼた餅用皿10枚、ペア湯飲み30セット、箸立て20個。1000~3800円で、27日に同社の通販サイトで販売し、完売した。同社は次回の販売も予定している。

 窯元代表の小野政司さん(61)は「廃業を考える事態に陥ったが、温かい支援に感謝している。一日も早く再建し、再び納品できるようにしたい」と話した。


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