福岡城跡「潮見櫓」の復元が本格化 2025年春完成へ

 福岡市は、舞鶴公園(中央区)の福岡城跡で、かつて存在していた海を監視する「潮見櫓(しおみやぐら)」の復元を進めている。三の丸広場の現場では、コンクリートの基礎部分が完成しており、10月下旬から本格的な復元工事が始まる。


明治通り側から見た潮見櫓の完成予定図(福岡市提供)


 福岡城は1601年(慶長6年)から7年かけて築城された。かつて47以上の櫓があったとされるが、陸軍の駐屯地などとして利用され、その大半が失われた。潮見櫓は1909年(明治42年)に崇福寺(博多区)に移築され、仏殿として活用されていた。市は91年、櫓の部材を買い取り、復元に向けた調査を進めてきた。

 工事は今年2月に始まった。古材の4割ほどを再利用し、長さや強度が足りない場合、新しい木材で補修する「繕い」という作業を行う。今後は築城当時の工法で整備していき、2025年春の完成を見込んでいる。完成後は公開日を設けて一般に公開する予定。

 工事を担当する松井建設の内田祐之さん(57)は「櫓の復元は初めてなので、日々学びながら取り組んでいる。多くの人が集い、地元の人に愛される櫓の姿を取り戻したい」と意気込んでいる。


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