福岡県筑前町は、太平洋戦争末期に空襲から航空機を守るために造られた掩体壕(えんたいごう)を保存活用しようと、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。
大刀洗飛行場の足跡
同町立大刀洗平和記念館によると、町内には戦前、東洋一とうたわれた大刀洗飛行場があり、その周辺には多くの掩体壕があったが、現存するのは一つだけ。コンクリート製で、高さ7.3メートル、幅36メートルあり、戦闘機が2機入る広さだという。年々劣化が進んでおり、町は補修や補強工事が必要と判断した。
CFは「レディーフォー」のサイトで11月30日まで受け付ける。目標額は500万円。寄付の額に応じて飛行機柄の博多織ブックカバーや焼酎などを贈る(町内在住者を除く)。
企業版ふるさと納税の寄付金などと合わせて、入り口に中を見渡すことができるスペースを作ったり、トイレを整備したりする計画。同館の尾籠浩一郎館長は「戦争や平和について学ぶフィールドワークの場として残していきたい」と話している。