北九州市民のソウルフード「資さんうどん」が関西へ!

 北九州のソウルフードがいよいよ関西へ――。北九州市を拠点に九州・中国地方で展開するうどんチェーン「資(すけ)さんうどん」の新店舗が11月20日、大阪市でオープンし、関西地方に初進出する。8月には岡山県にも出店するなど徐々に東へエリアを広げており、運営会社の「資さん」(北九州市小倉南区)は「関西進出は大きなチャレンジ。全国展開の足がかりにしたい」と意気込む。

大阪初出店 11月20日オープン


関西地方第1号店となる大阪市鶴見区の店舗(提供:資さん)

 資さんうどんは1976年創業で、北九州市のほか福岡市や山口県で展開してきた。2018年に就任した他企業出身の佐藤崇史社長のもと「日本の資さんうどん」を目指し、5年間で20店舗以上増やして64店舗に拡大させた。8月には岡山市で開店、12月には長崎県にも出店し、九州全県制覇も果たす。

 関西初出店の店舗は、大阪市鶴見区のスーパーや飲食店などが立ち並ぶエリアに開く。店内は108席で、メニューは他の店舗とほぼ同じだ。営業・経営全般を統括する取締役COOの大井裕之さんは「北九州市のソウルフードとして愛されてきた資さんうどんを九州から全国に広げたい。その足がかりとして大きな市場である関西進出を決めた」と説明する。

「全国展開の足がかり」

 進出にあたって社内では、九州とは異なる食文化の関西で受け入れてもらえるかという懸念もあった。資さんうどんは、サバや昆布、シイタケなどから取った少し濃いめの味で甘さの残るダシが特徴。一方、関西のうどんは薄めのダシのイメージもあり、関西仕様のダシにすることも検討したが、「愛されてきた味で勝負するべきだ」という結論に達した。


関西進出の意気込みを語る大井さん

 関西の人々の反応も確認しようと、7~9月には大阪府や兵庫県でイベントや商業施設にキッチンカーを出すなどして進出をPR。阪神梅田本店(大阪市北区)に約2週間の期間限定で出店した際には1日350食が連日完売し、最長で2時間待ちの行列ができた。大井さんは「想像以上に歓迎してもらえた。自信を持って挑める」と手応えを口にする。

藤井竜王の「勝負めし」

 10月には、北九州市で行われた第36期竜王戦七番勝負の第3局で藤井聡太竜王が「勝負めし」の昼食に定番メニュー「肉ごぼ天うどん」を選び、翌週から注文が急増する追い風も吹く。月2、3回通う同市小倉北区の会社員男性(62)は「北九州のうどんと言ったら資さん。濃くて飽きない味が好きで、大阪の人にも気に入ってもらえると思う」と太鼓判を押す。

 来春には兵庫県尼崎市に2店舗をオープンさせる予定で、大井さんは「まずは関西の足場を固め、『日本の資さんうどん』になるよう、ゆくゆくは関東などへの進出も検討したい」と力を込めた。


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