豊前市民球場(福岡県)をホームとする社会人硬式野球チーム「エーアール・ライノス」が2024年4月に始動する。土木建設関連事業を展開する「エーアールグループ」(大分市)が設立。社会人野球の2大大会とされる都市対抗や日本選手権への出場を目指す。同グループの尾上昭宏代表(56)は「『おらがまち』のチームとして選手を育て応援してほしい」と話している。
同グループは大分市や北九州市に本社を置く3社で構成され、従業員は計45人。元高校球児の尾上代表が野球を通じて社会で活躍できる人を育て、地域の発展に貢献したいとチーム設立を発案し、2023年8月に支店を開設した豊前市をホームに選んだ。
球場や体育館を利用できる練習環境のほか、東九州自動車道のインターチェンジなどがある交通の利便性も決め手に。地元企業なども「若い選手が集まると街が元気になる」と好感触で、地域に溶け込みやすいと感じたことも要因だという。
チーム名のライノスは英語で動物のサイを意味し、同グループが事業で目指す「安定感のある強さ」などを象徴する。加入予定の選手18人は高校・大学野球や独立リーグの経験者らで福岡や大分などの出身。2度のセレクションで選抜し、社会人野球・パナソニックの捕手だった奇藤宏さん(39)が監督を務める。
選手は2024年4月から同グループの正社員として働き、豊前市内で生活しながら仕事と野球に励む。来年の日本選手権の予選を初陣に予定しているという。
同市役所で記者会見した尾上代表は「地域貢献に力いっぱい取り組む」と語り、地元・青豊高出身で九州共立大4年の楠悠紀内野手(22)は「野球で豊前を盛り上げる」と意気込んだ。後藤元秀市長は「練習環境の充実にできる限り努めたい。市民を巻き込みながら素晴らしいチームに成長してほしい」と期待した。