2021年の東京五輪で採用されたスポーツクライミングのボルダリング、リードの二つの全国大会で、福岡県粕屋町立粕屋中央小4年の渡辺風馬君が相次いで優勝した。
父・数馬さん、母・沙亜里さんは日本代表として、W杯など世界を舞台に活躍。風馬君も数馬さんの指導を受け、5歳で競技としてのクライミングを始め、平日は放課後に数馬さんが経営するクライミングジムで2時間の練習、学校がない日は岩場での練習や遠征にあて、経験を積みながら技術を高めてきた。
9月の全国ボルダリング小学生競技大会(東京)、11月の小学生リードクライミング競技会岸和田大会(岸和田CANCANカップ2023、大阪)の小学3・4年生のクラスで優勝し、初めて日本一に。数馬さんは「苦手意識があるボルダリングで疲れに負けず、集中力を持続できたのが大きかった」と2冠の要因を分析する。
数馬さんは「日本にはリードが得意な選手が少ないので、風馬には有利」と話し、32年に19歳で迎えるブリスベン五輪の出場とメダル獲得を視野に指導していくという。
折り紙や裁縫も好きという渡辺君は「ホールドの形を見分けたり、どう進むかを考えたりするのが楽しい。オリンピックより、ワールドカップでチャンピオンになりたい」と夢を膨らませる。