自転車と旅に出よう!平成筑豊鉄道がサイクルトレインを運行

「黒銀」のデモ走行で、列車内の専用フックで固定された自転車

 平成筑豊鉄道は3月30日から伊田線と田川線(行橋駅を除く)の土日祝日全便で、自転車を列車内にそのまま持ち込める「サイクルトレイン」として運行する。自転車を分解したり、折り畳んだりする必要はなく、1便につき5台まで受け付ける。インターネットで予約すれば、追加料金なしで利用できる。6月30日まで。

6月末まで土日・祝日に

 同社は、自転車を立てかけられる専用車両1台を導入。座席を畳み、窓側に設けられた5台分のフックを使って自転車を固定する。

 専用車両は約1000万円かけ、コロナ禍を経て利用が減っていた貸し切り列車の内外装を刷新。筑豊の象徴「黒ダイヤ(石炭)」から「黒銀(KUROGIN)」と名付けた。


黒を基調にデザインされた「黒銀」

 外観は黒を基調に銀色で「黒銀」の文字や模様などをあしらい、周囲の景色が映り込む鏡面仕上げを施して高級感を演出した。平日も通常ダイヤに組み込んで走らせるが、自転車の持ち込みは土日祝日に限られる。

観光から買い物・通学へ

 20日にはデモ走行が行われ、直方駅から5人が愛車と一緒に乗り込んだ。その後、赤村などの駅で降り、周辺でサイクリングを楽しんだ。直方市の団体職員神谷昌秀さん(67)は「自転車と列車の両方で沿線ののんびりとした雰囲気を楽しみたい」と笑顔を見せた。


5台分のフックで自転車を固定する


 河合賢一社長(53)は「沿線の遠賀川や今川沿いに整備されている自転車道をアピールするなどして観光面で乗車実績を積み、将来的には買い物や通学などでの利用を促していきたい」と話している。


 同社によると、専用車両以外は固定具や駐輪スペースがなく、自分で自転車を押さえて乗車する。自転車を持ち込む場合は利用前日の午後5時までに、同社ホームページの専用サイトから乗降駅や時刻、氏名、メールアドレスなどを入力して予約が必要。


専用サイトから予約する


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