新年度を前に、生活困窮者の自立を支援する「ゆくはし生活相談センター」(福岡県行橋市)が、進級や進学で不用になった小学生向けの学用品の寄付を募っている。「おにいさん、おねえさんたちからの学用品リユースバトン」と名付けた同センター初の取り組み。必要とする地元のひとり親世帯などに贈り、経済的な負担軽減につなげる。
困窮世帯を支援
2023年12月、センターの中島昌子・相談支援員が、困窮家庭の子の約2割が不登校か不登校気味で、学用品が買えないことも要因と指摘した調査結果を報じる新聞記事を読んだのがきっかけ。センターでは当時、生活困窮者に配るための食料品や日用品を市民から集めており、仕組みを学用品にも生かせないかと考えた。
小学生向け中心、4月まで
今回は、ランドセルや体操服入れ、上履き、絵の具・習字・彫刻刀セット、鍵盤(けんばん)ハーモニカ、リコーダー、文房具など小学生の学用品を中心に募集。上履き、ノート、鉛筆、消しゴムは未使用品に限り、その他もきれいな状態で名前などは消しておくことを条件とした。4月末までに総合福祉センター「ウィズゆくはし」内の事務所に持参してもらう。
同センター1階では3月1日から、受け付けた物品の写真を掲示。ひとり親や多子世帯などの保護者は写真の中から希望するものを選び、1世帯あたり3点まで受け取れる。先着順でなくなり次第終了する。
既にランドセルやクレヨンなどが寄せられており、中島相談支援員は「普段、学用品に関する相談は多くはないが、日々の食事に比べて声を上げにくい可能性がある。子育て世帯の負担を減らし、不登校対策にもつなげたい」と協力を呼びかけている。
問い合わせは、ゆくはし生活相談センター(0930-55-6665)へ。