九州自動車道の鳥栖ジャンクション(JCT、佐賀県鳥栖市)―久留米インターチェンジ(IC、福岡県久留米市)間に整備された「小郡鳥栖南スマートインターチェンジ(SIC)」が6月9日、開通した。九州道本線に直結し、自動料金収受システム(ETC)の搭載車が通行できる。
全国初 2県にまたがり建設
同SICは鳥栖JCTの南約3キロの地点にあり、福岡県小郡市と鳥栖市の境界に位置している。西日本高速道路(NEXCO西日本)と福岡、佐賀両県などが2020年に着工し、約59億円を投じて整備した。両県によると、2県にまたがって建設されたSICは全国初。30年度には1日平均4200台が通過すると見込まれている。
同SICの開通により、周辺の産業拠点から高速道路までの所要時間短縮による物流の効率化、一帯の道路の混雑緩和などが期待されている。また、同SIC周辺では、佐賀県側で新たな産業団地の整備が計画されるなど、企業立地の促進による経済波及効果を狙う動きもある。
「企業誘致や雇用創出に期待」
鳥栖市のホテルで開かれた開通式には、両県の関係者ら約140人が参加。福岡県の服部誠太郎知事は「九州における最大の交通の要衝である小郡鳥栖地域の特徴を生かしたIC。沿線での企業誘致や雇用創出に大きな期待が持てる」とあいさつした。
佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は産業団地の整備計画に触れた上で、「SICを生かす努力をしていき、この地域がますます前に進むことを願う」と述べた。
この後、現地で関係者らがテープカットとくす玉割りをして開通を祝った。