初代門司駅遺構「世界的に貴重」イコモス国内委員が声明

2024.06.28

 北九州市門司区のJR門司港駅周辺で出土した初代門司駅(1891年開業)の関連遺構を巡り、ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が遺構保存を求める会長名の緊急声明を出したことを受け、日本イコモス国内委員会の委員が6月27日、市に声明文を提出した。


市の担当者に声明文を手渡す福島准教授(左)

 この日は、委員の福島綾子・九州大准教授が市役所を訪れ、声明文を市の担当者に手渡した。その後、記者会見を開き、市に対して現地で計画している複合公共施設整備事業の見直しを改めて求めた。

 福島准教授は会見で声明が出るのは異例とし、「イコモスが世界的に貴重な遺構であると表明し、遺構の保存方法を検討してほしいという意思を示したもの」と説明。市に対して、「いったん立ち止まって行政と有識者、市民を交えた協議の場を設けてほしい」と語った。

 声明で示された整備事業の撤回を求める「ヘリテージ・アラート」については、「7月中に市が遺構保存に向けた動きを見せなかった場合は、イコモス本部に発出を要請することになる」と述べた。

 声明を受け、武内和久市長は「今後とも、必要な情報収集に努めてまいりたい」とのコメントを出した。


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