田川後藤寺駅前の整備へニーズを調査 基本構想まとまる  

 福岡県田川市は、JRと平成筑豊鉄道が乗り入れる田川後藤寺駅前に約900平方メートルの「交流広場」やロータリーを整備する基本構想をまとめ、広場の利用ニーズを探る社会実験を今秋から行う方針を決めた。社会実験の結果、一定の利用が見込めれば、構想の具体化を進めたい考えだ。


基本構想の田川後藤寺駅前整備のイメージ。右奥が駅、左が交流広場(田川市提供)

ニーズ探る社会実験を実施

 市によると、社会実験では駅前に広がる後藤寺商店街の空き地か空き店舗に、交流広場を想定した「仮設広場」を設置。イベントを開催したり、店を出したりといった交流広場の活用に意欲のある人を募り、仮設広場を利用してもらって来訪者の反応や人流の変化などを調査・分析する。

 市は社会実験を通じて、広場に必要な設備や最適な維持管理方法などを検討し、実際の整備に反映させる方針。仮設広場では日よけやベンチ、人工芝などを用意し、利用者の意見を聞きながら必要な機能を調整する。実施時期は2024年10月~25年2月頃を予定しており、7月中をめどに仮設広場の場所を選定する。

 同駅周辺では16年、福岡市と結ぶ高速バスなどが乗り入れるバスターミナルが老朽化のため廃止された。市は駅周辺の道幅を広げ、駅前への大型バスの乗り入れを可能にする整備基本計画の策定に向けて、有識者や地元住民らで構成する「策定会議」を20年に設置。議論を重ね、22年3月に交流広場や、バスが周回できるロータリーを整備する方向性を打ち出した。


現在の駅前(右奥が駅)。タクシープールはあるが大型バスの乗り入れはできない

 その後の市長改選を受け、市都市計画課はより幅広く意見を聞こうと、市民1200人を対象に方向性の是非などを尋ねるアンケートを実施。419人が回答し、ロータリー整備に賛同する意見が多く寄せられた一方、広場への賛否は割れた。このため広場が本当に必要かどうかや、望ましい空間のあり方を把握・検証するためとして、約500万円の予算を確保して社会実験を行うことにした。

 商店街では地元の県立西田川高校の生徒や教員、策定会議の関係者らが定期的にイベントなどを開いており、同課はこうした地域活動に理解がある層の参画に期待を寄せている。


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