鉄の街「乾杯はスチール缶」で 門司港レトロビールが変更

 北九州市の地ビール製造販売会社「門司港レトロビール」は12月2日から、商品の容器をスチール缶に変更した。缶の鋼材となる原板は同市の日本製鉄九州製鉄所八幡地区で製造しており、「鉄の街」として栄えた誇りを商品に込めようと企画。リサイクル率が高いスチール缶は環境にも優しく、門司港レトロビールは「『乾杯はスチール缶』という鉄の街の文化を継承したい」としている。


スチール缶での販売が始まった門司港レトロビールの商品

 1998年に創業した同社は当初、ガラス瓶でビールを販売していたが、バナナのようなフルーティーな香りが特徴の看板商品「ヴァイツェン」が2019、21年に全国地ビール品質審査会で最優秀賞を受賞。観光地・門司港のお土産としても認知され、より軽くて持ち帰りやすいようにと、21年からアルミ缶で販売するようになった。

 スチール缶への変更は2023年、日本製鉄などとスチール缶を容器にした商品を限定販売したことがきっかけ。素材の鉄は何度でもいろんな物に生まれ変わることが可能で、リサイクル率が高いとされる。商品を通じて、環境に優しい鉄の魅力をアピールしようと決めたという。

 門司港レトロビールの商品は、いずれも350ミリ・リットル入り。価格は据え置きで、ヴァイツェンは550円(税込み)。味もアルミ缶と変わらないとしている。醸造部長の峯松幸之助さん(48)は「スチール缶はお土産などで持ち運んでも固く変形しない利点がある。鉄の街・北九州を再認識してもらえる商品にしたい」と話している。


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