福岡県の大牟田市石炭産業科学館で、明治から平成時代にかけて、炭鉱や街並みを写した約480点の絵はがきを紹介する企画展「絵はがきにみる炭都おおむたの歩み」が開かれている。5月11日まで。
絵はがきは、個人がカメラで撮影することが珍しかった明治から戦後しばらくの間、各地で観光土産として人気が高かった。大牟田市は、日本初の石炭化学コンビナートが形成されるなど、かつて日本を代表する炭鉱都市として栄えたこともあり、多くの種類の絵はがきが作られ、市内の土産物店などで販売されていたという。
会場には、世界文化遺産の構成資産となっている三池炭鉱宮原坑、熊本県荒尾市の万田坑の外観や、坑内で採炭する男女の作業員、馬が石炭を運搬する場面、密集する炭鉱住宅などの写真が並ぶ。演劇場や松林の景勝地、学校の運動会を写した絵はがきも。大半は戦前までのもので、モノクロ写真に彩色して印刷したものもある。
展示している絵はがきは、「大牟田のにぎわいを次世代の子どもたちにつたえていきたい」と、個人収集家が集めたものを、大牟田市が購入し、同科学館が所蔵している。開館は午前9時半~午後5時。同企画展の観覧は無料。期間中の休館は7日。問い合わせは、大牟田市石炭産業科学館(0944-53-2377)へ。