福岡市地下鉄七隈線について、福岡市は11月21日、市議会交通対策特別委員会で、将来の需要増加に向けて橋本駅と空港線・姪浜駅間、博多駅と福岡空港国際線ターミナル間への延伸の可能性を検討する意向を示した。さらに混雑緩和のため、車両を4両から空港線と同じ6両編成に増やす検討を始めることを明らかにした。2026年度予算案で関係費を計上する方針。
現在つながっていない橋本・姪浜両駅間については、周辺住民らから接続を求める声が上がっていた。実現すれば博多から天神、南西部を周回する環状の交通ネットワークが生まれ、地域全体の活性化が期待される。
福岡空港国際ターミナルは駅がある国内線ビルまで離れており、連絡バスを運行している。延伸で地下鉄と直接つながることで、国際空港として更なる機能強化につながると見込まれる。
混雑課題の解決へ
一方、七隈線は、2023年に天神南駅から博多駅までの1.4キロを延伸したことで、通勤・通学の利用が増加。1日あたりの平均乗車人員は23年度は12.6万人だったが、25年度は9月末時点で15.8万人に達し、ピーク時間帯の激しい混雑が課題となっている。
市は8月に増便を行って対策を進めているが、将来の利用増加を見込み、車両を増やすことで輸送力の強化を図る方針を固めた。駅自体は6両対応できる仕様で、市の試算では、車両製作と施設改修などに約250億円を見込む。
市の担当者は「6両化は混雑緩和への抜本的な対策だ。利便性向上のため、延伸の実現可能性をしっかり検討していく」と話した。
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