eスポーツでお年寄りに笑顔! 福岡大が地域活性化へ取り組み
eスポーツの体験会で、手元のボタンを押して玉入れをする参加者
スポーツを通した地域振興を進める福岡大学(福岡市城南区)はeスポーツを取り入れた様々な活動に乗り出している。年齢や性別、場所などを問わず楽しめる特性を生かし、高齢者の健康維持のほか、世代や障害の有無などを超えたつながりの創出を目指す。
公民館で体験会を開催
同大はスポーツ庁の委託を受け、2022年度から行政や地元スポーツチーム、企業などと連携して地域に貢献するコンソーシアムを作り、部活動の支援やパラスポーツの普及を進めてきた。25年度はeスポーツに着目し、通信会社「QTnet」(福岡市)と同社グループ会社で、eスポーツのプロチーム運営会社「戦国」(同)が新たに加わって地域の活性化のモデル作りを進める。
福岡市城南区の公民館で10月4日にあった高齢者向けのeスポーツ体験会には約30人が参加。同大の学生のサポートを受けながら、パズルゲーム「ぷよぷよ」や、運動会を題材にしたゲームを楽しんだ。鬼木京子さん(81)は「面白かった。家ではできないので、またここに来てやりたい」と笑顔を見せた。
体験会の前には、加齢で心身が衰える「フレイル」を予防する体操も実施。コンソーシアムの幹事長を務める同大スポーツ科学部の乾真寛教授は「取り組みやすいゲームを通して、外出機会の少ない高齢者の交流や体を動かす機会も作りたい」と話す。
世代や障害を超えて!
同大は12月にも同公民館で体験会を開催する予定。この取り組みを通して、各地の公民館でも行えるような内容を検討する。このほか、病院や高齢者施設などとオンラインでつなぎ、eスポーツの交流会も開きたい考えだ。
高齢者に特化した行事以外にも、子どもと大人といった異世代や障害の有無を超えた交流に活用するほか、プロのスポーツ選手と子どものふれ合いなど、これまでにない交流機会の創出を検討しており、25年度内に実施していく。
乾教授は「高齢者や障害者の社会参画を促すとともに、リアルスポーツではなかった交流の形を作っていきたい」と意気込む。







