九州大総合研究博物館(福岡市東区)は、常設展示室を全面的に刷新し、5月16日から一般公開を始める。2008年の展示開始以来、初めて内容を見直し、九大の約110年にわたる研究の歴史や変遷を体感できるようにした。関係者は「研究が続く大学博物館だからこその標本の数々を見に来てほしい」と呼びかけている。
貴重なホロタイプ標本
新たな常設展示室にはアンモナイトの化石が並ぶ。中でも、「ホロタイプ標本」と呼ばれる化石は、新種の学名を決める基準となるもので、世界に1点しかない貴重な資料だ。このほか、九大が多数所蔵する弥生時代の人骨や世界の甲虫など各分野の貴重な標本や資料を展示する。
白亜紀のアンモナイトなどの研究で国際的に知られる松本達郎理学部教授(故人)が、昭和天皇にご進講した際の式次第や、宮中に持参した化石標本なども常設では初めて公開する。
刷新に向けて展示室は2025年7月から公開を休止。九大の総合知を感じられるよう、各分野の草分け的存在の研究者に焦点を当てた構成にした。展示も大学に伝わる歴史的な家具を使って標本の時間的厚みを空間で表現。1階だけだった廊下展示を2~3階にも増やし、来場者がより多くの収集資料を見られるようにした。
同館は、1911年創立の九州帝国大時代から教育・研究のために収集した学術標本など九大が所蔵する約750万点のうち、約170万点を保管する。未整理のものもあり、現在も調査が続く。
特別公開も実施
5月16、17、23、24日の4日間は特別公開を実施。普段は見られない昆虫や鉱物などの標本開示室などを開放する。特別公開中は、採掘の裏話を聞ける化石講座や自分だけの「鉱物標本」を作るワークショップ(定員30人)などの参加型イベントも。同館の標本をカードにしたトレーディングカードの配布もある。
常設展示室は平日の午前10時~午後4時に開館。特別公開中の土日も開館する。詳細は同館のホームページで。問い合わせは同館(092-642-4252)へ。







